カメラを触ってたら光が集まるから寂しくないブログ

カメラ趣味。写真もカメラも好き。

写真集『ソール・ライターのすべて』について

 ソール・ライターのすべて

All about Saul Leiter  ソール・ライターのすべて

All about Saul Leiter ソール・ライターのすべて

 

 カラー写真黎明期から積極的にカラーを表現に取り入れ、ファッションフォトグラファーとしての華やかな成功の一方で、ニューヨークを中心とした街角で「普通の」人々の写真を撮り続けたソール・ライターのペーパーバック写真集。

街行く人の姿からその生活だったり、背景となる物語だったり、時には感情までもが想起されるところがストリートフォトグラフィーの魅力だと思いますが、ソール・ライターの写真は、それだけでなく、やっぱり写真はそのものが美しいデザインであるべきだ、と気づかせてくれます。構図しかり、色しかり。ルポタージュ的に時代を写しだす写真ではなく、動き続ける街と人並みから日常の中で見つける美しいデザイン。

ブレッソンの写真も幾何学的にこだわったデザインのものが多いですが、ちょっと写真が強すぎて怖いし疲れる。それに対して、ソール・ライターの写真は、柔らかく癒される。写真が撮られた時代の空気感もあって、暖かい気分になる一冊。

映画も見ることができたんですが、この神様は最高にキュートなじじいです。

saulleiter-movie.com

 恐れ多くて自分の写真が貼れない。